こんにちは。CTOの木下です。
「昇給によって年収1,000万円を超えるソフトウェアエンジニアを産み出す」という目標の達成報告をしたいと思います。
実は初めて達成してからかなり時間が経ってしまっているのですが、これまで、そしてこれからの取り組みによってさらに多くのメンバーが達成していく見込みであることを受け、区切りとして記事に残しておきたいなと考えてこの記事を書くことにしました。
遠い目標
私が入社したのは2016年3月なのですが、当時CTOの落合は「昇給によって年収1,000万円を超えるエンジニアを産み出す」ということを口にしていました。
しかしながら2016年3月以前にいた社員数は3人程度で、売上規模も小さい会社でした。 そのため人件費にかけられる金額も絶対額として大きくなく、特段給与水準の高い会社ではありませんでした。
私は弊社にはClojureで自社製品開発がしたくて入社を決めたのですが、給与もたくさん欲しいと当然のことながら思っていました。 しかし現実には上述したような規模でしたし、いただいたオファーの金額とのギャップを考えると距離がある目標に思えていました。 どうやってそこに到達できるか、そのためにいかに早く事業を大きくできるか、焦りと共に真剣に考えたことをありありと覚えています。
賞与の導入と増額へ
弊社は昇給において、基本的に月給(= 基本給+固定残業代)を上げていくことをよしとしています。 月給ベースで考えることは弊社のようなSaaSビジネスと相性が良く、受け取り側にとっても生活の計画を立てやすいというメリットがあります。 そのため2019年まで昇給は月給アップに使っており、賞与は少額を上乗せしているだけでした。
しかしそれでは望ましい年収アップペースに届かないため、まず固定賞与の導入を決め、次に特別賞与を導入し、大きく年収を上げていくことにしました。
弊社における固定賞与と特別賞与の定義は次の通りです。
- 固定賞与:月給と同額を支給する賞与
- 特別賞与:全社員の月給の合計額を予算とし、評価に応じて0〜上限なしで支給する賞与
昇給の推移
昇給の推移をまとめると次のようになります。
年次 | 固定賞与 | 特別賞与 | 賞与予算合計 |
---|---|---|---|
2016 | なし | 少額 | 0 |
2017 | なし | 少額 | 0 |
2018 | なし | 少額 | 0 |
2019 | 1ヶ月 | 少額 | 1ヶ月 |
2020 | 2ヶ月 | 少額 | 2ヶ月 |
2021 | 2ヶ月 | 1ヶ月 | 3ヶ月 |
2022 | 3ヶ月 | 1ヶ月 | 4ヶ月 |
2023 | 4ヶ月 | 1ヶ月 | 5ヶ月 |
このように2019年から1ヶ月分ずつ賞与を増やすことで、平均給与を10%前後上げ続けることができました。
目標達成
「昇給によって年収1,000万円を超えるソフトウェアエンジニアを産み出す」という目標は、月給の昇給と賞与の増額で達成することができました。 上述のように、来年もさらに賞与を増やすことを予定しているため、今後も1,000万円を超えるメンバーが誕生していく見込みです。
また基準も上がり、2023年度は特別賞与を除いても、エンジニア/デザイナーは年収672万円〜となりました。
なぜ昇給にこだわったのか?
ソフトウェアエンジニアは転職すると収入が増えるバグがあるなどと言われたりしています。 しかしながら転職活動にはリスクがあります。 リスクとしては、転職した先の文化が肌に合うかは働いてみるまでわからないですし、そこの開発で力を発揮できるかどうかも不確実です。 また転職活動にはコストもかかります。準備し、面談・面接を複数回受け、時には選考課題をこなす必要もあるでしょう。そうした時間をかけるよりも、自社のプロダクトなりをよくするための活動に時間を割いて報われるのであれば、それが本来は経済合理的なはずです。
私としては、環境・文化が自分に合っているのであれば、給与を上げるための転職をするよりも、昇給によって給与が上がっていくのが最も望ましいと思っています。ささやかでも弊社の取り組みが転職によって収入が上がるバグへのパッチになるといいなと思っています。
また、弊社は自社製品を販売している会社です。 同じ製品を長く開発していくので、長く働いて製品に詳しくなっているメンバーが居てくれると非常にありがたいです。 上述したような思い切った昇給を続けることができた背景には弊社は着実な成長を続けることができたことがあります。 これは継続して貢献してくれたメンバーのおかげに他なりません。 ですので、そうしたメンバーに報いていくことが、理にかなったお金の使い方だと思っています。
これから
振り返ってみるとかなり給与水準を上げることができてきましたが、まだ満足したわけではありません。
当面の目標としては、日本のSaaS業界でトップの平均年収の会社になることを新たな目標として、事業の成長と昇給の両輪を回し続けられるように努力していきます。
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